ライフルは好きじゃない。とりわけ、アサルトライフルは好きになれない。
俺もいい年でね。兵隊の真似事は趣味じゃないんだ。重いライフルを抱えて、藪の中に潜んでいる、なんて、考えるだけでぞっとする。第一、デザインが気に入らない。実銃でもホビー用途の広い拳銃と違って、アサルトライフルは所詮、工業製品。部屋に飾るにも場所に困るし、観賞に耐え得る一部のライフルも、この点では変わらない。
トイガンから長らく遠ざかっていた俺が、改めてガスガンを買おうと考えたのは、友人からガスブローバック戦の話を聞いたからだった。拳銃なら手軽でいい。手の届く所に飾っておいて、暇なときに弄るのも楽しいだろう。なにより、兵隊ごっこにならずに済むから、クールにゲームを楽しめる。
早速、仲間と共に拳銃を買いに出た。ロバート=デニーロによく似た、気のいいマスターがいる店だ。所でロバート=デニーロ、て誰なんだい?
ショーケースを覗き込む。でかい銃は嫌いだ。アンバランスな気がしてならないんだ。まあ、バントラインスペシャルくらい突き抜けてしまえば話は別だが、あんな馬鹿長い物は部屋に置きたく無い。
マスターによると、WAのベレッタM1934が売れている、と言う話だった。一昔前のアニメの影響さ。今じゃ、タフガイでも美女でもなく、小娘が銃を持つんだ。全く、嫌な世の中だぜ。WAの訴訟騒ぎの話も聞いたよ。まるで、馬鹿デカい鼠が徘徊する不潔極まりない行楽地――――何が楽しいんだ?――――千葉浦安ネズミ牧場のアメリカ本社みたいな話じゃないか。そして、俺はディズニーが大嫌いなんだ。M1934はなかなか綺麗な銃だったが、俺は迷わず却下した。
さて、どれにした物か。そう悩んでいる俺の目に、一丁の銃が飛び込んだ。それが、KSCのS&W M945コンパクトモデル・ステンレスシルバーだった。俺は一発でぞっこんになっちまった。これだけ無機物に惚れ込んだのは、フェラーリのF2002以来の事だ。他の銃も見はしたが、殆ど上の空。俺の心ははっきりと決まっていた。
友人が、スタンダードモデルにしてはどうか、と勧めて来た。コンパクトモデルはバレルも短いし、装弾数も少ないから、と。一応、目にはしたが、全く心が動かなかった。コンパクトモデルがこれだけ美しいのに、スタンダードはどこにでもある、つまらない銃だった。友人の親切な申し出を、俺は丁重にお断りした。
多少の不利は承知の上さ。もちろん、ゲームは勝つ気でやる。だが、勝つ為にやる程、俺の育ちは悪くない。
今、こいつはウッドグリップに交換した上で、スタンドに乗せて飾ってある。非常に美しい銃なので、より美しくする為なら、少々の出費を惜しむ気は無いが、トリガーは元々出来がいいし、ハンマーまでシルバーにしちまうと、デザインが締まらなくなりそうだ。だから、俺は限定のオールシルバーモデルにも興味が無い。動作は安定しているから、パワーアップには輪をかけて興味が無い。
今でも、最もお気に入りの逸品。撃っていて、一番楽しい銃だ。
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First up date - H.16.03/12
Last up date - H.18.08/06
by YO - HIDAKA