Law of the West
説明書のコーナーでも取り上げた本作品です。子供の頃はよく分からないのでシューティングゲームのように画面に現れるヒットマンや副シェリフを撃って遊んでいました。アドベンチャーゲームなんですが当時を考えても突き放した分かりにくい展開。子供には刺激の強い素敵すぎる会話とか、所々に見られる凝りすぎた絵の書き込みとか、なにより周りのゲームとは違う何かがありました。
海外ゲームからの移植作品だろうとインターネットで検索すると案の定、そうでした。
Commodore C64として。
コモドールとはどんなマシンだったかというと…私もよく分かりません。ネットで調べてみると初めて家庭用に売り出された安価なパソコンとしてアメリカを始め全世界で売れまくったパソコン(あのころならマイコン?)だったそうです。―――ギネスブックによると、コモドール64は史上最もよく売れたコンピューターで、発売された1982年から「商業的な落ち込み」によって生産中止になった1993年までの間に約3000万台が販売された。―――そうです。
日本ではAMIGAとして知られていてグラフィック系に強いパソコンである程度のシェアを取っていました。
コモドール64
長くなりましたがコモドールは結構優れたパソコンだったのです。てっきり私はあの独特の雰囲気からATARI系のマシンかと思いきやコモドールからとは、ポニーキャニオンもマニアックな所から移植したものです。ここでは主にコモドール版に焦点当てて紹介していきます。
上記の画面がコモドール64版 LAW OF THE WESTのタイトル画面です。音楽はファミコン版と同じタイトルミュージックがかなりゆっくりとしたテンポで流れます。
海外ゲームなので全文英語表記なのは当然なんですが違和感を感じさせない渋い色調と装飾。モノクロ洋画のタイトルコールのようにきれいにまとまっています。いかにも大人向けって感じです。グラフィック系に強いコモドール64の能力の高さが生きてます。
こちらが日本ではお馴染み(?)のファミコン版のタイトル画面です。ゲーム機本体のグラフィック能力も価格も比べものにならないのでパソコンクラスの画面を期待するのは酷な話しですが……。ゲーム本編での画面の移植度はけっこう巧いので本当は似せることは出来たのでないでしょうか。容量か製作期間でもかかったのかなぁ。
ちなみに87年同時期の発売ソフトは『ポケットザウルス』『さんまの名探偵』『熱血硬派くにおくん』など。グラフィックはそれほど進んだ頃ではありませんが、周りと比べるとポニーキャニオン…手を抜いたのか!?
ヒミツを しっているけど おしえないよ。
ガキは とっとと うせろ!
やあ ウイリー。 どんなヒミツだい?
やあ ウイリー。 キャンディー いらないか?
だいじな ことかい?
ゲーム画面は両バージョンとも似ていてよく移植できているように思います。コモド−ル版はさすがに綺麗ですね。細かな陰影とか雲の表現が見事です。ファミコン版もドットの粗さはありますがかなり頑張って描き込んできます。
動きのあるNPCが粗いドットキャラになってしまうのは両バージョンでもしょうがないようです。(射殺したときに流れるように崩れ落ちるのはどっちも有ります。)
ちなみに移植に当たって音楽は数曲カットされてしまっています。
素敵すぎる会話の元凶がここにっ!!
てっきり翻訳にあたった人が素敵な意訳をつけてくれたのだと思いこんでいたのですが原作からこんな素敵な会話だったとは思いませんでした。
SCRAM,PIPSQUEAK!
こんなことあっちで言おうもんなら撃たれますって
キャンディーで釣ろうとしてる時の丁寧なしゃべり方とは天と地があります。
おまえが このケチくさい まちのシェリフか?
ああ なにか オレで やくにたつことが あるか?
それが どうした チンピラやろう?
よお ぼうや!うまの のりかたくらい しってるのか?
ああ ここは とても いいまちだぜ。
あら こんにちは おにいさん!
やあ ローズ!
こんな ところを うろつくな! この あばずれ。
あとで あそびにいっても いいかい?
さいきん さかばのほうは どうだい?
最初に出てくる流れ者と酒場女ローズとの会話。短い文章ながら雰囲気が伝わってきそうな個性的な選択肢がきます。ただ、ファミコン版のターゲットであろう子供にこの文章のニュアンスとか会話展開が理解できるか疑問です。「よおぼうや」はともかく「うまの のりかたくらい しってるのか?」なんて子供の頃に遊んだ時は、これが侮辱だったなんて私は気が付きませんでした。何故か怒って銃を抜いてくるのでシューティングゲームとして楽しんでました。
ファミマガのカタログによるとLAW OF THE WESTはアクションゲームに分類されています。たぶんポニーキャニオンも元のままでは流石に売れないと思ったのかファミコン版ではアクション要素(と言うよりはシューティング)が追加されました。それは白いキャラのヒットマンでボーっと見ていると画面の隅っこから情報を持っているNPCをうち倒していきます。そのまま倒されると得点が入らないのでシェリフは彼らを守ってやるというわけです。
会話の選択肢を選びつつ、時には怒って発砲してくるNPCに注意しながらヒットマンも倒さないといけないので真面目にプレイすると忙しくカーソルを動かしまくることになります。このゲーム、銃を撃ったときのレスポンスが非常に良くて撃ったときの快感が強いです。グラフィックはリボルバーですが残弾を気にすることなく連射できます。子供の時はもっぱらガンシューティングと思って遊んでたものです。
コモドール版にも画面中に撃てるキャラが出るのですがボーナス扱いで撃ってくることはありません。あと原作にはステージの切り替わり時に「チャッチャッチャ、チャララチャラ〜」という妙に軽快な音楽の点計算画面もありません。全部クリアしないと正しい会話が成立したか分からなくなってます。
コモドール版のエンディング
パッケージタイトル
最後まで来てはじめて得点計算があります。墓場マークはルート中に登場したキャラクターの数です。そして、羽根がついて飛んでいってしまっているドル袋は射殺してしまったNPCをあらあしてます。かなりシュールな画面です。この画面まではファミコンには移植でき無そうですね。
本家もラストだけはあっさりとした画面です。凄い描き込み予想していたので意外でした。
そうそう音楽も妙に軽快な音楽ではありませんでした。ということはあの音楽はポニーキャニオンのオリジナル!?
ゲーム画面取り込みですが、元々がきれいなだけにいい具合になってます。これは西部劇がメインだってことが伝わります。たぶん文章からアドベンチャーなんだろうなぁってのも伝わるんじゃないでしょうか。
まちがっても日本語版みたいなガンシューティングとは思われないでしょう。それにしてもポニーキャニオンは……これを移植して子供向けに本当に売れると思ったのか気になって仕方ありません。